自民党税制大綱
2016-01-05


昨年暮れに、自民党のH28年度税制大綱が発表された。
骨子は強い経済の下での子育て支援、安心な社会保障の構築とのことだ。
そして、だれもがチャンスを保障され、自己の能力を最大限に発揮することのできる一億総活躍社会を構築していく必要がある、と。そのための税制上の措置を講じるのが平成28年度案だ。

具体的には、
1.法人実効税を20%台へ
2.消費税の軽減税率制度の導入
3.少子化対策・女性活躍の推進・教育再生等に向けた取り組み
4.地方創成を推進
5.国際課税ルールの再構築
6.復興支援
7.その他
の7項目からなる。
言うまでもなく1の法人税と2の消費税は、大きな目玉だ。
基よりこれらは税金を納めてくれた方々に対する優遇策であって、当然ながら赤字続きの経営で税金を納めていない企業に対しては恩恵は少ない。軽減税率制度に関しても低所得者に対する対策というものの、果たしてどうか。

3少子化対策の中に、三世代同居に対応した住宅リフォームに係る税額控除制度の導入があるが、果たして今のご時世三世代同居している家庭はどこにあるのだろうか?
近くを見ても、二世代同居(玄関別)はあることはあるが、三世代となると全く見当たらない。むしろ独居型ハウスのなんと多いことか。
そんな疑問を持ちながら内容を見てみると、必ずしも三世代が同居する必要はなく、三世代が住める住宅であればよい、とのことだ。
そのためには、1.キッチン 2.浴室 3.トイレ 4.玄関 のいずれか2つ以上が複数であること、と対象工事費用が50万円超であることが求められる。
これらの要件が満たされれば、そのリフォーム工事に要した費用の10%相当額が其年分の所得税額から控除されるとのことだ。世代間の助け合いによる子育て支援の観点からだそうだが、考えは理解できるとしてもその対象となる国民はどのくらいいるのだろうか。あくまでも中間所得層以上を対象とした策であることには違いがない。


我々リタイア族が残りの人生を生き抜いていくには、ある程度の金融資産が必要だ。労働世代はしっかり働いて稼いでいけばよいが、我々には体力も働き口もない。したがって今迄の蓄えと年金頼りの生活となろう。そうなると、そう簡単には虎の子の財布は開かない。
若い子育て世代も同様だ。高くもない給料の中で必死に子育ててしていることを思えば、これからの世代にもっと手厚くしてあげたい、という気持ちになる。最近の税制は若い子育て世代に対してあまり優しくないと感じるがいかがか。





[税理士業]

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